去る12月15日、当会初のデモ行進を開催致しました。
初のデモに際し、依存症に重点を置いたコール案を作成しました。
参加者の皆さんにも、社会のシステムとして組み込まれたパチンコという存在について、沿道の方々へ問題提起の意味合いを含め、身近な問題として知ってもらいたかったためです。
今回はパチンコ廃止論の第一線で活躍なさっている、作家の若宮健先生と荒川区議の小坂英二先生が来賓として、短時間ではありますが、講演を引き受けて下さり、参加者とのパチンコ廃止に賭ける強い思いを共有する時間を頂くことができました。
また、同じくパチンコ廃止を訴える地方議員である山本光宏先生(神奈川県大和市市議)にもご参加頂き、この問題の重さを再認識した次第です。
若宮健先生は「たった数千人のための莫大な利益のために、数百万人が泣かされているのがパチンコ業界である」と言い、パチンコを放置しておきながらカジノという西洋の賭場を解禁することに対し、疑問を投げかけました。
カジノに関するエピソードで最も印象的であったのは、マカオや韓国カジノのディーラーの若者は一般に比べ3倍もの高額な給与を得ていながら、常にお金に困っているという実態です。
これは、多くの若いディーラーが依存症であることを意味しています。
将来ある若者をディーラーにして、一体何になるのか?
博打は人を幸せにするものではなく、すべて敗者の犠牲によって成り立つもので例え雇用や経済対策という綺麗事を並べても、綺麗事で済む博打は存在しない、ということを強く訴えました。
また、40年前のマカオのカジノはたった3軒だったが、現在は昔の面影を壊す環境に変わってしまったことから、東京も同じ運命を辿ってはならないということを訴えていただきました。
小坂英二先生は、パチンコ廃止を訴える地方議員としては第一線で活躍されており依存症問題に取り組むNPOである「JAGO」の理事も務めていらっしゃいます。
日本は世界的にも飛びぬけて依存症患者の割合が高いということを指摘し(米国0.6%、香港・マカオ1.6%、日本5.6%)パチンコは不幸を量産するシステムであることに警鐘を鳴らしました。
小坂先生の最近の取り組みについてもお話があり、ギャンブル依存に対する教育を区議会にて提案し、実現することとなったそうです。
社会のシステムとして組み込まれている以上は、地獄が終わることはなくパチンコの廃絶しか道はない、という訴えは、参加者の心に響いたことと思います。
また、有志各々の方が国会議員に対し「よい意味での圧力」をかけることは重要であるとし、地方議員に対しても立地規制や床面積あたりの課税、規制などを求めていくことが重要であることを話して頂きました。
パチンコマネーの流出を止めない限り、拉致問題も解決することはないであろうということは、正論であると感じました。
今回、小坂先生の奥様である、モデルの天羽絢子さんにもお越し頂きコーラーをお願い致しました。
天羽さんには「ご夫婦でパチンコ廃止を訴えることで、配偶者の依存と戦うご家族にエールを送りたい」ということでお願いしましたところ快く引き受けて下さいました。
街頭演説でも定評がある「花時計」さんからもお二人コーラーとして宣伝車に乗車して頂き、沿道に対し依存症の問題をアピールしました。
今回は特に妨害が無かったため、沿道からのチラシ配布も行うことができました。
チラシ配布に参加してくださった方のによると、受け取り率反応ともに良く、やりがいがあったとのことでした。
沿道の方のほうから、チラシを受け取っていく姿も多く見られました。
デモ行進にはお母さんに手を引かれた女の子から、高い年齢層までの方に参加して頂きました。
今回は協賛団体無しの単独デモでしたが、初めての開催にも関わらず150名の方に参加頂いたことは、この問題の関心高さを表していると感じました。
混乱もなく秩序あるデモ行進が開催できた裏には、参加者の皆さんのモラルの高さ、そしてスムーズな運営のために当日進行や整理に当たって下さった皆様のお陰です。
本当に有難うございました。
最後に、今回のデモに際し会員さんから頂いたメールを紹介いたします。
「デモには参加できないけど、本当にパチンコがなくなって欲しいです。
給料になると、パート代を持ってパチンコへ行ってしまう。
パート代は全額負けてます。食べるものにも困ってます。
あと3年パチンコの借金を返さなければなりません。でも、行ってしまうんです。
この活動を見て、もしかしたら店が無くなるかもしれない。なくなってほしい。毎月毎月思ってます。
頑張って下さい。よろしくお願いします。今月は、お金が無くてデモには参加できないけど、大きくニュースになる位、大きく大きくなって欲しいです。」
今回のデモは、一回目としては結果を残せたと思います。
しかし、もっと多くの方に関心を持ってもらう為の第一歩に過ぎません。
デモ終了後「活動を拡大する為にも、国旗の掲揚はやめてほしい」というご意見も頂きました。
確かに、社会問題を訴えるときに、国旗は必要無いと考える方がいらっしゃるのも確かです。
しかしパチンコは今も昔も保守議員の利権であり、カジノ法案の提出によって、現政権もまたパチンコとの連鎖を断ち切ることができない状況です。
保守である私達こそ、現政権に対し、反パチンコ、反カジノ法案の意思表示をしていかなくてはなりません。
私達運営一同は、全国のパチンコ廃止を求める会会員様にも、ご理解、ご協力を賜り、大きな反対の声を上げ続けていきたく思っております。
今後はデモに限らず、政治的な働き掛けも視野にいれた行動を提案していきます。
以上
パチンコ廃止を求める会として初のデモが開催されました。
集合場所の御徒町公園は公園内に神社がある都会のオアシスと言っていい公園で、近くに大きな食品量販店があることから、買い途中の家族が休日の平和な一日を過ごしている光景が見えました。
集会開始の一時間前にスタッフは集まって準備をする予定だったのですが、はたしてどれくらいのスタッフが集まってくれるか少々不安でした。約20名からの会員があつまり、のぼりを組み立てや、横断幕をはるといった準備を手伝ってくれました。
特にデモ中の注意事項に使用するプラカードは主催者の指定したもののみとしたため、スタッフ側でもそれなりの数を用意する必要がありました。
これは最近、プラカードを自作する人の中に行きすぎた表現が見られることが原因です。参加者「個人」が作成したプラカードがフレームアップされてデモ「全体」のメッセージとされることに防衛策を取らなければならなかったこと。ポイントを絞ったアピールの方が「誰が見てもひと目で」何を訴えているかわかりやすいデモになると思ったからです。
参加者に「自作プラカ持ち込み禁止」が周知できているか不安がありましたが、参加者の協力もあり持ち寄られたプラカードはすべて指定の物だけとなりました。
出発前集会が始まり、開会の言葉を渡辺事務局長よりパチンコ廃止を求める会結成までの経緯が話されました。主催者としての挨拶をされた瀬戸弘幸先生からは「この運動こそが本当の運動である」と力強い激励の言葉と来年からデモを定例化しようという呼びかけがありました。来賓として来ていただいた若宮健先生からはマカオの実例を挙げて「カジノ解禁で東京をゴミ箱にしてはならない。」と説明をしていただきました。
コールを奥様にお願いした荒川区議会議員・小坂英二先生からは、「ギャンブル依存症を増大させる社会的システムそのものが問題である。良い意味の圧力を議員へかけてパチンコを廃絶しよう。」と力強い呼びかけが行われました。
デモ中は散発的な妨害はあったものの組織だった妨害は皆無で、ときおり沿道から拍手をいただくなどギャンブル依存症がいかに社会的に重大な問題になっているかを実感しました。
沿道からデモ隊を見ると、黄色が基調のプラカードが日章旗と相性も良く十分に衆目を集めることに成功していました。
プラカードを指定したことは正解だったといえます。
終わりの集会では飛び入りで参加した大和市市議会議員の山本光弘先生より「駅前に賭博場があることの異常事態である、こうしたことをひとつひとつ国民に訴えていこうという」訴えがなされました。
結果として、今回のデモの参加者は約150人にのぼり一応の成功を収めたといえます。
しかし瀬戸先生がおっしゃった通り、このデモは始まりにすぎません。
カジノ法案が騒がしい今だからこそ、国民にギャンブル行政をどうするのか問いかけていかなければなりません。
初回のデモで参加者が150人あつまり、ニコ生放送の視聴者数が数千人を超えていることは当会への期待の大きさというよりも、パチンコ問題が社会的影響の大きい問題であること。さらに言えば、ギャンブル依存症に苦しめられている人々の多さが推測できます。
国民の中にわだかまっている、いまのパチンコのありかたへの違和感、遊技業への疑問を政治的な力に変えることがパチンコ廃止を求める会のミッションであると十分に感じた一日でした。
最後に来賓として来ていただいた、若宮先生、小坂先生、山本先生をはじめスタッフとして集まってくれたみなさま、たいへんありがとうございました。
これからもがんばりましょう。